万年青は「ユリ科」?「スズラン科」?それとも「アスパラガス」の仲間?

 従来、万年青は「ユリ科」に分類されると図鑑にも記述され、それに従って万年青関係の書物にもそのように記載してきました。欧米では「Rohodea Japonica Roth」としても紹介されていますが、一般的には「Japanese Rily」の名称で通っているようです。植物学の世界でそのようにしているのだから疑うことなど無かったのが事実です。でも「どうして万年青がユリ科なの?葉の形だって全く異なるし、花序だってユリとは似ても似つかないし、ナンデダロー、、」という違和感がつきまとっていたのも事実でした。

2月13日付けの朝日新聞によると、大阪市立大学理学部助教授の田村実さんのグループが、葉緑体のDNAの塩基配列を調べ系統樹を作成したところ、ユリ科とされてきた植物はかなり広範囲に散らばるという結果が出た、とありました。ユリ科は系統を反映したグループではなく、来歴の異なるいくつかのグループを寄せ集めたものだったそうです。この背景には人類とユリ科の縁は深くて長かったから、、とありますが意味がよくわかりません。
では万年青はどの科に属するのかというと、「アスパラガス」和名では「クサスギカズラ」または「キジカクシ」の下に位置し、「ハラン」、「スズラン」、「ジャノヒゲ」などと並列関係にあるようです。しかしながらDNAによる研究により、近い将来、科の「解体」は必至で教科書や図鑑の大幅な見直しが迫られることになるとのことです。
「ユリ科の範囲を現状のままにしておくわけにはいきません。他とのバランスを考えながら、どのような大きさに科を区切っていくかが当面の大きな課題です。」ということですから、要するにしばらく様子をみないことには仕方がないということのようです。

 DNAを使った分子系統学の進展により、目に見える形態を中心にした分類には限界が見えてきたとのことです。近年オモトの世界でも実生交配技術の進展により、複合的な葉芸を持つものが生まれてきています。その結果、これは羅紗なのか縞甲なのかという議論が交わされるようになっています。DNA以前の課題として現在の「大葉」「薄葉」「羅紗」の系統分けにも微妙な問題が出てきているのも事実ですが、根本的且つ大幅な見直しには「DNA」鑑定が必要になるのでしょうか。