万年青の系統
羅紗系・薄葉系・大葉系と、その元になる実親をご紹介します。
羅紗系
羅紗系の歴史は育種が盛んになった明治時代から急激に品種数が増えたように、実生と密接に関わりながら今も進化を続けています。
昭和には実生の作出は最盛期を迎え、現代においては最も品種数が多くなっています。「天光冠」「富国殿」「玉輝冠」のような細葉からはじまり、昭和初期には「八紘錦」が生まれ、「旭峰」や「新生殿」のような大型羅紗、「玉雲」「力和」「鸞山」など現代羅紗の礎の出現、昭和中〜後期に作出された「楼蘭」「壽冠」は未だに羅紗系最高峰となっています。
その後は「双天」「文晁」「天煌」「絢華」など型に特徴があり覆輪の深い小型種が時々作出され、未登録では「侘助」「帝王」「萬玉」など次世代のスターが控えています。
また、「臥牛獅子」に代表されるような羅紗獅子、「玉松」や、絶種になった「栄松」などの千代田羅紗、「三光鳳」をはじめとする胡麻斑羅紗も羅紗系に含まれており、まだまだ新タイプの作出が期待される、発展途上の分野となっています。
一部の縞甲の血が強い品種を除き、ほとんどが当才芋吹き苗の時は葉芸を現さず、3才頃から葉芸を見せ始め、5〜7才で本芸に至ります。その間も決して退屈することはなく、毎年、日々の変化に一喜一憂できることから、羅紗マニアという言葉があるほど、その虜になる愛好家が多く存在します。
薄葉系
後に記述がある通り、薄葉系の中には、獅子系、縞甲系、千代田系、一文字系などが含まれています。実際に葉肉が薄くない品種も増えてきており、小葉(羅紗)と大葉の中間にある中葉という表現のほうがしっくりくるかもしれません。
縞甲は羅紗と同じように日を取りながら育てたほうが良いですが、獅子、一文字系、千代田斑の順に大葉系と同じような遮光して保湿しながらの管理が求められます。
獅子
植物全体の中でもユニークな、葉がクルクルとカールする系統です。原種的な存在は「玉獅子」になります。
ほとんどが実生によって生み出されてきましたが、優秀な獅子系の実親は少なく、「海龍獅子」は「大車」×「玉獅子」「四君子」は「麒麟獅子」×「晃明錦」など縞甲と獅子の交配によって生み出されてきました。最近になってようやく「斉藤獅子」という見た目は「玉獅子」のような雌木に注目が集まっていますが、角巻を安定して生み出すような実親は開発されていません。
やや遮光気味で育てたほうが葉の伸びが良くなり、葉も巻き込んでくれますが、日が足りないと力強さに欠けるので、そのバランスは育てる一人一人の環境に応じて探っていく必要があります。
縞甲
薄葉系統ですが葉が薄いものはほとんどありません。原種的存在は「錦麒麟」になります。
当初は縞と甲竜を現すものを縞甲竜と呼び、天然縞甲(平葉に竜が乗る)→地変わり縞甲(細葉で若い頃から雅糸竜を現す)→羅紗縞甲と変化してきました。羅紗縞甲は現代型縞甲とも呼ばれ、「太陽」「大雲海」など広葉に雅糸竜を現すものを指します。
本来の縞甲は地に照りがあり、やや固い印象を受ける地合いのものが主流でしたが、登録が比較的新しい「海吉」(みよし)などは、芋吹きの地合いや芸足をみても縞甲竜というよりは羅紗になってきています。その境は説明し難く、登録者の意向に委ねられてきています。
「大車」や「大宝」など、実親の多くも縞甲系統といえます。
千代田斑
紺と白の打ち込みがある斑を持つ、非常に美しい系統。原種的存在は「根岸の松」です。
大正時代に芋吹き法などを確立した松谷正太郎氏が、師である前田源太郎氏の生み出した「根岸の松」の実生に竜が乗ったものを使い、「千代田の松」を作出、その後も「三光の松」「日出の松」「祝田の松」など、現代まで伝わる名品を作出したその万年青は「松谷千代田」と呼ばれるようになりました。
あまりにも優秀で、名品に似たものが多く生えすぎるという理由から「松谷千代田」は焼却処分になったのですが、それを免れた個体の流れからいわき市の熊谷善幸氏などが改良を重ね、「玉松」「春松」「寿松」という3種の羅紗千代田を作出しました。ちなみに羅紗千代田は羅紗系統に登録されています。
葉緑素が少ない分性質が弱く、「常盤獅子」や「松喜」のような千代田獅子も登録されていますが、とても希少種となっています。
千代田系は薄い芋で芋吹きすると苗が小さくなってしまい、より栽培が難しくなることから、大きな芋で切って大きな苗として増やさなくてはならないことも、平均気温が上がった現代では再認識しなくてはならない技術といえます。
一文字系
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他
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大葉系
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実親
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